この記事では、これから作品を投稿していきたい新人ボカロPさんに向けて
- オリジナルMVの依頼の仕方
- 気になる相場と希望の予算内に収めるポイント
- 実際にクリエイターに送るメッセージの内容(定型文付き)
こちらを映像制作会社勤務歴10年以上ボカロ曲大好き管理人のmyが、詳しく解説していきたいと思います。
当たり前ですが、制作を依頼するということは、お仕事の案件としてクリエイターとのやり取りが必須になってきます。
初めての依頼だったり、ビジネスメールの経験がない学生さんにとっては、最初のメッセージを送るところからハードルが高く感じてしまっている方も多いのではないでしょうか。
この記事ではそんな不安をなくせるよう、とにかく丁寧に、依頼文は例文付きで分かりやすく案内していきます。

今回はオリジナルMV制作を中心に説明していますが、「歌ってみた」などのカバーMVにも応用できる内容になっています!
オリジナルMV制作を依頼するには?
MVを作りたいけど、どこに頼めばいいかわからない!という方に向けて
今回はMV制作を依頼する窓口としてよく名前があがる、「ココナラ」「スキマ」「X(twitter)」の3サービスのメリット・デメリットをそれぞれ紹介します。

ココナラ (coconala)

ココナラはスキルマーケット系サービスの中でも利用者が多く、予算や納期などで絞り込める検索システムも充実しています。
取引実績をもとに認定される出品者ランクのもあるので、依頼時にはこちらも参考にしてみましょう。
- クリエイター登録者数が多い
- 匿名性が高い
- 検索時に予算や納期などの細かい絞り込みができる
- ココナラ内でしかやり取りできない
- 支払いごとに手数料(5.5%)が発生する
- クリエイター数が多いため、評価や実績を確認して見極めが必要
スキマ (SKIMA)

スキマはクリエイティブな案件専門のスキルマーケットサービスです。
中でもイラストに特化しており、イラストからMV制作までをワンセットで引き受けているクリエイターもいます。
イラストレーターの出品が充実しているため、MVの顔としてイラストを重視される場合は一度SKIMAで探してみると良いでしょう。
- クリエイティブなジャンルに特化している
- 実際に制作したものをギャラリーで確認することができる
- 基本利用料無料
- クリエイターの登録数がまだまだ少ない
- 悪質出品者とのトラブル時のサポートが弱い
X (twitter)
SNSでの依頼は、実際の作品を見て自分が好きなクリエイターへ直接連絡を取れるところが最大の強みです。
依頼する際は「この作品を見てご連絡しました」と経緯を伝えることで、動画制作時のイメージのすり合わせもスムーズに進むでしょう。
ただし、先に上げたスキルマーケットサービスと違い、個人間で直接のやり取りになるので
納品や支払い時にトラブルを起こさないための注意がよりいっそう必要となります。
- 世界中のクリエイターが集まっている
- 過去の作品や実績を見ることができる
- 手軽に連絡のやり取りが可能
- プロとアマチュアが混在しているため、依頼先を慎重に選ぶ必要がある
- 個人間のやり取りになるため、トラブル時の対応も自身で行わないといけない

余談ですが…
この記事を書いている途中で「twitter」が「X」になってしまい慌てて書き直しました。今までありがとう青い鳥。君のことは忘れないよ。
気になる相場と予算について
オリジナルMV制作の相場は?
今回はオリジナルMVということで、相場は3万円~15万円ほどを目安にするとよいでしょう。
歌ってみたなどで原曲MVを参考に制作する場合、上記の相場より少し低めになることがあります。
有名楽曲であれば、MVをテンプレート化することで手頃な価格帯で販売されている方もいらっしゃいます。
予算を抑えるコツ
限られた予算で満足のいく作品にするためにはどのようにすれば良いか
まずポイントからお伝えしましょう!
「予算が不安だから…」と最初から内容を削った状態で見積りを依頼するのではなく、まずは「理想のイメージ」と「予算」をしっかりと伝えて見積りを作成してもらいましょう。
こうすることで何にいくらかかるのか、具体的な料金を確認することができます。
MVの仕上がりに求める内容に優先順位をつけ、順位の低いものから削っていくことで予算内に抑えていきます。
また、希望の予算も合わせて伝えることで、制作者から予算内に収めるための提案をすることもできるようになります。

予算内で満足度を上げるためにどういったご提案ができるかが、クリエイターの腕の見せ所の1つでもあります!
また「相見積り」といって、複数のクリエイターから見積りを出してもらい、内容を比較検討することもおすすめです。
その際のマナーとして、依頼をお断りすることが決定した場合はできるだけ早めにお断りの連絡を相手に送りましょう。
見積もりを出した側は、依頼が入る可能性を考えてスケジュールの調整をしています。あらかじめ返信の期日を決めて「検討の上、○日までにご連絡いたします」と、伝えておくと相手もスケジュールが立てやすくなります。
断るのが申し訳ないからと、見積もりをもらったまま放置をするのはマナー違反になります。
思っている以上に狭い界隈ですので悪印象を与えるのは、今後の活動のためにもやめておきましょう。
具体的な予算の抑え方ですが、MVに限らず制作に関する見積りは「基本料金+オプション料金」の構成になっています。
見積りが予算を超えてしまった場合は、どこかを削る(諦める)必要があります。
まずは「基本料金」ですが、中身を見せるとだいたいこんな感じ…

ここを削るのは正直無理です。
クリエイターがクリエイターとして生きていくためにここは削れません。
ここを削るように交渉すると、相手から不信感を買うことにも繋がるのでおすすめしません。
となれば削るのはオプションです。
作業1つ追加するごとにオプション料金が発生します。
クリエイターによって基準や料金設定がバラバラなため、都度確認が必要です。
例えばこういった作業に料金が発生することがあります。
- イラスト枚数追加
- アニメーション追加
- エフェクト追加
- 3DCG追加
- ○分を超える場合30秒ごとに追加料金
- 通常納期より急ぎの納品
- ○回目以降の修正
もしも多人数のコラボ企画などで登場キャラクターが多ければ、「イラスト枚数追加」が必須でしょう。
「アニメーション追加」には、イラストを動かす作業とは別に、歌詞を動かす作業もアニメーション(モーショングラフィックスとも言う)として追加料金が発生する場合もあります。
予算内に収める流れ
- 作品イメージの希望と予算を伝える
- 見積りを出してもらう
- 作品に求める演出の優先順位を決め、順位の低いものから削っていく
予算が不安な時はとにかく相談する!
「○○万円~」とぼんやり書かれていることで、不安になる気持ちとてもわかります。
クリエイター側から明確に『1作品 ○万円』と言い切ることはできません。
ですが、逆に依頼者からは明確な予算を提示することができます。
予算が足りず断られたらどうしよう…なんて心配は不要です。
なぜなら大体のクリエイターは、提示された予算内でできることを提案してくれるはずだからです。
これは決して代替案を提案しないクリエイターを批判する話ではありませんが、ここで相談に応えてくれるクリエイターであれば信頼度もグッと上がりますよね。
予算に関係なく、あまりに常識から外れた内容を提示された場合や、スケジュールの都合などの理由で、お断りさせていただくこともあるかと思います。
今こうして下調べをしているみなさんは前者の「常識から外れた内容を提示」することはまずないので、もし断られても次行こ、次!と切り替えていきましょう。
まずは予算をはっきり伝えて「見積り」を出してもらいましょう。
見積りの作成をお願いする定型文もこの後に用意していますので参考にしてみてください。

予算だけでなく不安なことはできるだけ最初に伝えておくと、
制作時のやり取りもスムーズになるよ。
依頼文の書き方【例文付き】
映像制作者に伝えるべき内容
ココナラなどのサービスを利用する場合、制作者のサービス内容欄にあらかじめ必須項目が記載されていることがあります。その際は制作者の指示を優先してください。
- 自己紹介(挨拶)
- 楽曲音源・楽曲についての説明
- MVのイメージ、要望
- イラストなどの素材について
- スケジュール
- 予算
- 締めの挨拶文
この7個の項目ごとに例文を記載しています。各項目をコピペ改変してご利用ください。
1. 自己紹介
まずは自己紹介をしましょう。
簡単なもので構いません!
名前と活動内容(ボカロP、歌ってみた、VTuberなど)を伝えましょう。
個人で活動しているか、法人(企業所属)で活動しているかも伝えてください。
これによって、制作にかかる取り扱い内容が変わってるため、見積り金額も変動します。
初めまして。
ボカロPとして個人で活動をしています、○○と申します。
普段はこういった活動をしております。
YouTube:http://~
現在、オリジナル曲のミュージックビデオ制作を検討しております。
初めまして。
ボカロPとして個人で活動をしています、○○と申します。
現在、オリジナル曲のミュージックビデオ制作を検討しております。
ミュージックビデオの制作は今回が初めての為、至らぬ点がございましたら申し訳ございません。
「ココナラ」や「スキマ」などのサービスでは、トラブル防止の目的でSNSなど外部への誘導が禁止されている場合があります。事前に各サービスの規約を確認してみてください。
2. 楽曲音源・楽曲についての説明
次に楽曲について、伝えましょう。
曲名、曲の長さ、曲のイメージがわかると良いです。
曲のイメージはそのままMVにも反映される内容なので、出来るだけ詳しく記載しましょう。
ご依頼したい楽曲について、以下に詳細をまとめております。
【曲名】□□□
【分数】○分○秒
【音源】http://~ 音源のURL
【曲のイメージ】
・夏の夜をテーマに制作しました。
・人生の後悔や苦しさを思い返しつつ最後は少しだけ前を向ける曲です。
音源データを送る際は、無料で簡単にデータを送れるギガファイル便がおすすめです。
保存期限は30日以上に設定しておきましょう。
依頼が確定していない段階で音源データを渡すのが不安な場合は、YouTubeの「限定公開」機能を利用してみましょう。
映像制作を依頼するにあたって、音源はある程度完成に近い状態のものを用意しておきましょう。
歌詞出しタイミングのズレによる無駄な修正や、仕上がりイメージのすれ違いを防ぐことができます。
3. MVのイメージ、要望
②の楽曲についての説明と合わせて、具体的な映像のイメージを伝えましょう。
参考動画や画像を送るとイメージを共有しやすいです。その際、動画のどういった部分がイメージと近いのか(歌詞の出し方なのかキャラクターの動きなのか動画の構成なのか等)を伝えられると、より良いでしょう。
【MVのイメージ】
・夜中に部屋で一人うなだれている女の子
・歌詞の演出は控えめ
・イラスト1枚 表情差分有り
【参考動画】
・ http://~ 参考動画のURL
こちらのMVの歌詞の出し方と色味がイメージに近いです。
・ http://~ 参考動画のURL
こちらのMVのように部屋の中に光が差し込む演出も可能でしょうか。
もしMVのイメージが固まっていない方は、個人的に超かっこいいと思うボカロMVをまとめた記事もありますので、参考にしてみてください!
4. イラストなどの素材について
MVでイラストを使用する際は、以下の内容を押さえておきましょう。
- イラストが完成している場合
- イラストレーターの名前
- イラストの納品形態(枚数、データ形式やサイズなど)
- 制作進行中の場合
- イラストレーターの名前
- 完成予定の日程
- これから制作する場合
- いつまでに用意できればよいか期限を確認する
- イラストの保存形式、解像度、レイヤー分けなど、指定はあるか
動画内で使用するイラストについて、
現在、イラストレーターの○○様に制作を依頼しており、
納期は○月○日を予定しています。
イラストの保存形式、解像度やレイヤー分け等に指定は有りますでしょうか。
5. スケジュール
納期の希望を伝えます。最終納品以外のスケジュールの希望があればそちらも伝えておきましょう。
連絡がつきやすい時間帯を伝えておくとより丁寧です。
納期について、
○月○日の配信を予定しております。
配信準備などありますので、余裕をもって○月○日を納期とさせていただければと思います。
音源やイラストなどの素材は○月○日までに全て揃う予定です。
制作中のご連絡についてですが、平日は○時以降の返信になるかと思います。
納期が特に決まっていない場合
制作者に「この内容だと制作に何日かかるか」を確認し、その日を納期としましょう。
「いつでもいいです」にしてしまうと、ダラダラと長引いてしまい、制作側が他の案件を受けづらくなります。お互いのモチベーションの低下にもつながるので、あらかじめ納期はしっかり決めておきましょう。
6. 予算
希望の予算を伝えましょう。
予算内に収まるか不安な場合でも、一旦上記の希望のとおり作成するといくらぐらいになるのか、見積りを作成してもらいましょう。
一度上記の内容で、お見積もりの作成をお願いいたします。
予算について、現状○○万円ほどで考えております。
予算を超える場合は内容を再度検討し、予算内に収められる形への変更を考えております。
当方、初のMV制作で予算感がわからないため、内容をご相談しつつ進めさせていただければ幸いです。
7. 締めの挨拶文
挨拶に始まり、挨拶に終わります。
納期が迫っている制作の場合は返信の締め切りを設けても良いです。
その他、不足している情報などございましたらご連絡いただければと思います。
こちらの都合で恐縮ですが、納期が短いため〇月〇日までにご返信いただければ幸いです。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご検討の程どうぞよろしくお願いいたします。
初回の連絡なので全体的に固めの文章になりましたが、相手の返信に合わせて失礼のない程度にフランクに言葉を柔らかくしていっても良いかと思います。
ビジネス構文をいちいち調べて、返信が遅くなってしまうぐらいなら話しやすい言葉で早めのレスポンスをいただける方が制作側としてもありがたいです。
まとめ:欲しい情報が詰まった依頼文
というわけで、普段は映像制作をする側の人間として「こういう依頼文だと助かるなー」を詰め込んでみました。
依頼文一つで制作の進行のスムーズ度が格段に変わります。
ストレスのないスムーズな進行は制作のモチベーションにも繋がりますよね。
自分のイメージをしっかり伝えて、クオリティの高いMVを完成させましょう!
この記事が少しでも皆さんの素敵な作品を世に送り出す一助になれていたら嬉しいなと思います。
それではまた。

